社会人の方であれば、年に1回は会社での健康診断を実施しているという人も多いのではないでしょうか。
その際、「メタボ診断」というものをしたことがあるはずです。
正確には腹囲の計測ですが、医学会の定義によれば、この腹囲計測において男性の場合は85センチを超えた場合にはメタボリックシンドロームと認定されます。
腹囲の他にも血液検査などの要素も含まれますが、お腹のサイズはシンプルなメタボの判定基準になります。
さて、メタボと診断された方や腹囲が80センチを超えているメタボ予備軍の方の場合は運動や食事を通じて改善を勧められます。
今回はメタボの人もしくはメタボ予備軍の方が取り組むべき運動面からのアプローチについて解説していきます。
メタボ対策なら筋トレをしよう
検診でメタボと認定された、またはメタボ予備軍と言われた場合、「とりあえずダイエットしなきゃ…」と考える方が多いと思いますが、では具体的に何をすべきなのでしょうか?
一時的に体重を落としても元に戻ってしまっては意味がなく、引き締まった体型を維持するということが重要になります。
以下ではメタボ対策における運動的なアプローチを紹介しますが、「筋トレ」に焦点を当てて解説します。
なぜ筋トレがメタボに有効なのか
どうして筋トレがメタボ対策に有効なのでしょうか?
それは、「代謝」に関係があります。
そもそも、メタボリックシンドロームの「メタボリック」の意味をご存知でしょうか?
メタボリックシンドロームとは内臓脂肪症候群という日本名が当てられていますが、「メタボリック」とは「代謝」を意味します。
つまり、代謝が低下することによりお腹を始めとした体に脂肪がつきやすくなった状態をいい、メタボ診断された人は、すなわち代謝が低下していることを意味します(もちろん食生活などの生活習慣も影響します)。
そして、代謝は筋肉量に比例しており、筋肉量が低下するに従ってどんどん基礎代謝が落ちていき、太りやすく痩せにくい体質になっていきます。
ということは、筋トレを行って筋肉を増やせば代謝を改善させることができ、それがメタボ対策に繋がります。
有酸素運動は一時的、筋トレは長期的
メタボと言われたからジョギングやウォーキング、つまり有酸素運動を開始する人が多くいます。
この有酸素運動も確かに脂肪燃焼には効果的であり、やらないよりはやったほうが良いに決まっています。
しかし、有酸素運動の場合は運動をしている間にしかエネルギーを消費せず、また食事を摂った後に行った場合には、その食事のカロリーを消費するだけであって脂肪の燃焼につなげるのは意外と難しく、本質なメタボ対策につながりにくいのが事実です。
また、有酸素運動は終わったあとの頑張った感が強く、ご褒美としてビールを飲んだりお菓子を食べたりしてしまう傾向があり、結局効果がなかったということになってしまいます。
一方の筋トレは有酸素と対比して無酸素運動と呼ばれます。
筋トレを行う場合、トレーニングをしているときの消費カロリーは有酸素運動ほどではありませんが、筋肉を鍛えて筋肉量を増やすことにより、基礎代謝を上げることができます。
基礎代謝とは、生命維持のために自然に消費されるカロリーのことであり、筋肉量が多ければ多いほど消費されるカロリー量も多くなります。
つまり有酸素運動は一時的に脂肪燃焼の効果がある一方、筋トレで筋肉をつければ、それを維持できれば長期的に脂肪燃焼の効果を実感することができます。
また筋トレは毎日行う必要はなく週に2〜3回行えばある程度の効果を得ることができるので、仕事で忙しい人でも継続しやすいというのもメリットです。
どこから鍛えるべきか
筋トレがメタボに有効と言われて、ではどこの筋肉を鍛えるべきなのでしょうか。
メタボ=お腹が出ている=腹筋を鍛えるべきだと考える人もいらっしゃるかと思いますが、腹筋よりも優先させるべき筋肉があります。
その筋肉が「胸」、「背中」、「下半身」の筋肉です。
これら筋肉は体の筋肉の中でも面積が大きく、鍛えることで体に占める筋肉量を増やして基礎代謝を上げやすくなります。
特に下半身の筋肉は全身の筋肉の半分以上を占める筋肉なので、絶対に鍛えるべきです。
関連記事:
『胸筋を大きくする筋力トレーニング』
『背中を大きくするための筋力トレーニング』
鍛える回数や頻度は?
鍛えるべき筋肉がわかったところで、次は筋肉の成長のために適切な回数を解説します。
筋肉の成長(筋肥大)のためには適切な回数があり、軽い重量を何回扱ってもあまり効果はありません。
まず目安とすべき回数は、8回〜10回になります。
つまり、この回数が限界となるような重量を扱って筋トレをおこなうのが効果的ということです。
セット数については3回を目安に行い、これを週に1回は最低でも行うようにします。
鍛えるべき筋肉を分割して行うのがおすすめで、例えば月曜に胸、水曜に背中、金曜に下半身というような形で計画を立てると継続しやすくなります。
まとめ
以上、メタボ対策のために有効な筋トレについて解説してきました。
筋トレを開始しても翌日に効果が出るということはなく、少なくとも2ヶ月は継続する必要があります。
一度体が変わって来れば、どんどん筋トレにハマっていくはずですし、それに伴ってメタボ体型がどんどん解消されていきます。
精神面でもプラスに作用する筋トレを習慣化し、楽しく前向きにメタボ対策をしていきましょう。