トレーニングなどの運動を行うにあたっては、身体を動かしている時間帯はもちろんですが、それに備えた準備が必要です。
筋トレの場合であればしっかりストレッチする、軽い重量でウォーミングアップするなどの準備運動が怪我防止やパフォーマンスアップに繋がります。
そして、筋トレ前には栄養摂取も重要になります。
トレーニングで高いパフォーマンスを発揮するには適度に栄養(エネルギー)を補給しておく必要があります。
では、筋トレ前に飲酒するのはどうなのでしょうか?
お酒を飲むことにより気分がハイになり、よりモチベーションを上げることができるのではないかと思っている人も多いと思います。
そこで今回は、飲酒と筋トレの関係性について以下のポイントで解説します。
・お酒とトレーニングの関係は?
・トレーニング「後」の飲酒はOK?
・トレーニング前はどんな栄養摂取をすべき?
お酒とトレーニングの関係は?
飲酒をしてほろ酔い気分で筋トレを行うのはどうなのでしょうか?
なんとなく良くないような気もしますが、気分が高揚した状態でトレーニングしたほうが自分にとっては合ってる!と考える人も多いと思います。
しかし、結論から言って、お酒とトレーニングの関係は最悪であり、筋トレはもちろんですが、どんな軽い運動でも飲酒後に行うのは絶対にやめましょう。
飲酒後の筋トレに関してはデメリットしかなく、プラスの側面は一切ありません。
飲酒後の筋トレ、なにがいけない?
筋トレと飲酒の関係性は最悪と解説しましたが、一体何が問題なのでしょうか。
まず、集中力の低下が挙げられます。
お酒に強い人とそうでない人がいますが、どんなにお酒が強い方でも飲酒をすることで100%正常な意識でいることは難しく、その状態でトレーニングを行うのは非常に危険です。
筋トレに限らずすべての運動では高い注意力・集中力を持っておかないと怪我の原因にもなりますし、特に筋トレの場合はダンベルやバーベルといった重量のある器具を扱うので、自分が怪我をするリスクに加えて他人を怪我させてしまう危険性もあります。
お酒を飲むことにより体内にアルコールが供給されますが、アルコールは脳に対して作用を及ぼし、集中力・平衡感覚を低下させ、それがいい加減なトレーニングフォームにつながることが考えられます。
特に高重量を扱うトレーニングの場合、メチャクチャなフォームで行ってしまうと関節や筋肉を負傷する恐れがあります。
さらにはアルコール摂取により、体内の水分がより奪われやすくなります。
その状態で運動を行うことにより、脱水状態を引きお起こします。
トイレが近くなる、喉が渇くなどの症状が出始め、どう考えても100%の状態で筋トレできているとは言えない状況に陥ってしまいます。
どのジムでも「飲酒後のトレーニングは控えてください」という注意書きをしているところは見かけませんが、飲酒後にトレーニングはしないというのは、ある意味でトレーニングをおこなう人にとっての常識です。
トレーニング「後」の飲酒はOK?
筋トレ「前」の飲酒は絶対にNGです。
一杯だけなら、という気持ちは一切捨てましょう。
では、トレーニング「後」の飲酒はどうなのでしょうか?
筋トレ前のお酒を我慢してハードなトレーニングに挑み、オールアウトした身体にお酒を流し込むことを楽しみにしている方も少なくないと思います。
しかし、筋トレ後といっても飲酒は筋肉に対してデメリットしか及ぼしません。
筋肉は運動によって破壊された筋繊維が修復(合成)することで太く大きくなっていきます。
つまり、トレーニングはもちろんですが、その後の合成のプロセスにも意識を向けないといけません。
筋肉の合成はトレーニング中にはすでに開始されているとも言われ、トレーニング後にはすぐに適切な栄養を摂取して合成に備える必要があります。
しかし、トレーニング後に飲酒をしてしまうことでこの筋肉合成が遅れる可能性があります。
筋トレを行うことで筋繊維が破壊されると、筋肉を合成するように脳から司令が出されますが、飲酒によりこの司令を行う伝達回路が鈍くなり、理想的な合成がなされません。
さらにお酒に含まれる成分「コルチゾール」が筋肉を分解してしまうため、飲酒をした場合としていない場合での筋肉の合成にはやはり差が出ます。
また、飲酒を行うことにより睡眠の質が低下します。
お酒を飲むと眠くなりますが、実際に入眠してからの睡眠の深さはお酒を飲んでいない時と比較すると非常に悪く、十分な回復がなされません。
筋肉の成長には十分な休養が必要ですが、飲酒によってこれが阻害されることで成長を妨げる要因となります。
ですので、トレーニングをした日は飲酒自体を避けるようにしましょう。
トレーニング前後はどんな栄養摂取をすべき?
トレーニング前そして後であっても飲酒は控えるべきであり、本気で身体を変えたいのであればトレーニング日だけでもお酒を断つという習慣を身に付けましょう。
そして、トレーニングの日は前後の栄養摂取は非常に重要となります。
まずトレーニング前にはある程度のエネルギーを必要としますので、糖質を中心としたエネルギー摂取を行います。
糖質=悪というイメージが強いですが、糖質は身体にとってガソリンのような働きをするので、摂取したいところです。
和菓子であれば脂質が少なく純粋な糖質を摂取できるので、ケーキやアイスを食べるよりもおすすめです。
そして、トレーニング後ですが、こちらではたんぱく質をしっかりと摂取しましょう。
筋肉の合成はトレーニング中にも始まっており、トレーニングが終わった段階で速やかにたんぱく質を補給できればその分筋肉の合成を促進してくれます。
代表的な例で言えばプロテインを飲むことが挙げられますが、食事でもたんぱく質を意識しましょう。
まとめ
筋トレと飲酒の関係について解説してきました。
お酒が大好きな人にとっては日々の生活の中で飲酒が習慣になってしまっていると思いますが、おさらいを含めて以下のポイントを再度考えてください。
・飲酒とトレーニング(運動全般)の相性は最悪
・トレーニング前には正しい栄養摂取を
・トレーニング後もなるべく飲酒は避ける
筋トレをして本気で身体を変えたいと思っているのであれば、まずはトレーニングの日だけでも意識してお酒と付き合っていきましょう。